
今回の記事では有名なチャートパターンの
- アセンディングトライアングル
- ディセンディングトライアングル
と呼ばれる、相場の調整波について解説します。
相場は、「推進⇒調整⇒推進⇒調整」と波を描きながらチャートを作ります。
今回はその調整部分にフォーカスするパターンになります。
では学んでいきましょう!
調整波とは?
冒頭でも簡単に解説しましたが、重要なのでもう一度解説します。
「チャート=波(波動)」なのですが波(波動)には推進波と調整波があります。
- 推進波は上昇もしくは下落とトレンドが明白な波
- 調整波は休憩中の波(いずれ推進波に移行する)
推進波は勢いがありますが、調整波はその名前の通り勢いは弱めで、のらりくらりとした動きになり、この2つが交互に切り替わって相場の波は出来上がっていきます。
まずはこれを押さえておいてください。
アセンディングトライアングル・ディセンディングトライアングルについて
まずはアセンディングトライアングルとディセンディングトライアングルを見ていきましょう。
下図をご覧ください。
左側がアセンディングトライアングル、右側がディセンディングトライアングルです。
これらの特徴を解説していくと、
- アセンディングトライアングルは、「高値は切り上げていないが安値は切り上げている」
- ディセンディングトライアングルは、「安値は切り下がっていないが高値は切り下がっている」
というトレンド中のようなそうでもないような・・・・といった微妙な状況です。
これが最大の特徴ですね。
ではここでダウ理論を思い出しましょう。
ダウ理論の定義では、
- アップトレンド=高値と安値が共に切り上げている状態
- ダウントレンド=高値と安値が共に切り下げている状態
でした。
ではアセンディングトライアングルはどうでしょうか?
安値は切り上げていますが、高値は切り上げていません。
一方でディセンディングトライアングルは、高値は切り下げていますが、安値は切り上げてないです。
つまりダウ理論で考えると、アセンディングトライアングルもディセンディングトライアングルも、アップトレンドともダウントレンドとも定義することができないのです。
トレンドではないということですから、トレンドレスと解釈するしかないですよね。
しかし、相場の圧力を感じることは可能
アセンディングトライアングルやディセンディングトライアングルがいくらトレンドレスと言っても、何も読み取れないわけではありません。
ディセンディングトライアングルの図を再度見てみましょう。
をもう一度見ましょう。
ディセンディングトライアングルの場合、安値こそ切り下げられてはいないが、高値はしっかり切り下げているということが読み取れます。
この点から、トレンドレスの状況ではあるものの、「明らかに売りに有利な状況」と考えることが出来るのです!
アセンディングトライアングルの場合は、高値こそ切り上げられてはいないが、安値はしっかり切り上げていることになります。
つまり、「明らかに買いに有利な状況」と考えられます。
ダウ理論でトレンドの定義こそできませんが、「相場の力関係を見る」ことは可能ですよね。
ディセンディングトライアングルの場合は、「徐々に売りが攻めていて、買いがしんどそう」ということは伝わってきていますよね。
何とか安値は割らないようにはしているけど、徐々に上げる力が落ちてきているわけですね。
アセンディング&ディセンディングトライアングルのエントリーポイント
それでは、お待ちかねのアセンディング&ディセンディングトライアングルのチャートパターンを使ってエントリーするタイミングについて解説します。
基本的には、
- アセンディングトライアングルはロング
- ディセンディングトライアングルはショート
として考えます。
ではディセンディングトライアングルのショートエントリーポイントについて見ていきましょう。
エントリーできるポイントは2つあります。
- ラインを下抜けたタイミングでショートエントリー
- ラインを下抜けた後の戻りでショートエントリー
①では、ブレイクしたタイミングで仕掛けますので、「ちょっとブレイクしたけど、ダマシだった・・・」と言ったところで仕掛けてしまう事もあります。
しかし、ブレイク後に戻さずにそのまま下げる動きでもしっかり取れるメリットがあります。
②では、しっかりとブレイクしたことを確認した後の戻りを狙いますので、勝率は高めです。
しかし、ブレイク後に戻さなければエントリー出来ずに指をくわえて見ているだけになります。
どっちにもメリット・デメリットは当然存在します。
戻しなく下げるかどうかというのをチャートから読み取って、今回は抜けたら一気に走る可能性が高いという判断なら、ビビらずブレイクで売りを仕掛けます。
逆に自信がないなら、「安全に戻しを待って売り、しかし戻さなかったら指を加える」と割り切るしかありません。