『ヘッド&ショルダー』の大衆心理と売り買いのバトルの真実

今回はヘッド&ショルダーズについて、その流れと大衆心理を交えながら解説します。

その辺の初心者向けの内容の無い書籍とは比べ物にならない濃い話になっていますので、是非ご覧ください。

ヘッド&ショルダーズ形成過程中の戦略

下の図を見て、今後のあなたのトレードプランはどうなるか考えてみてください。

この図では、直前まで高値安値切り上げですので「アップトレン」になります。
そして、その後に直近高値を『切り下げるかもしれない・・・』という状態です。

この『切り下げそうかもしれない・・・』というのがミソで、『まだ完全に切り下げた』というわけではないんです。

ここが高値切り下げであると確定するのは『安値の更新』が必要になりますので、直前につけた安値を抜いて始めて安値切り下げは確定します。

ここまでは大丈夫でしょうか?
この時点でも超重要ですよ!

では、それを踏まえて、この後のご自身の戦略を練りましょう。

『買い目線』の場合

まず戦略を立てるときの基本的なスタンスなのですが、『上下両方のシナリオ』を常に考える癖をつけてください。

目線を固定するのであれば話は別ですが、それでも必ず自分が一番イメージしている流れの逆も必ず考えてください。

あなたが『上』だと思っていたとしても、マーケットにはそれと同じかそれ以上に『下』と思っている人もいるんです。

あなたとは違う考え、主義主張で相場を張っている人も世の中には沢山いることを絶対に忘れないでくださいね。

では、上のシナリオをまず考えます。

一旦高値が切り下げかけた後に上に行くというイメージですので、上に行くのであれば、上図のように青い点線がイメージできることになります。

こうなった時買うのであればどこで買うのか?ということを考えていくわけですが、これは赤の矢印部分である、反転して上げてきたポイントがベストかなと思います。

誤解のないように言っておきますが、これはあくまで仮説の段階です。
買うか買わないかの判断はまた別です。

たとえこのような動きになってきたとしても、『買わない』というのも戦略になります。
それも念頭に入れてください。

『買うか、売るか、何もしない』

トレーダーにはこの3つの選択肢が常にあることを忘れないようにしましょう。

ここまで

『売り戦略』の場合

では、次に下落する場合のシナリオ作りです。

下落するしなおりですので、のであれば図中の水色の流れがイメージできます。
下落N波動で、下げの3波目を形成していくイメージが持てるんですね。

そして、売るとしたらどこで売るのかということを考えますが、それは図中の青色矢印で売りが良いですよね。

第3波が始まりそうかな?と言うところで売るのが一番効率が良いです。

と、こうやって上下2通りのシナリオを常に考えてください。

売りと買いのどっちが良いのか

上下2通りのシナリオを考えるまではいいのですが、ここで疑問に思うのは『結局どっち??』と言うことです。

まず、基本的に覚えておかないといけないのは『正解はない』ということです。
つまり、どっちになるのかなんて誰にもわからないんです。

分かるのは後になってからです。

では、トレードはギャンブルになるのでしょうか?
答えはもちろん『NO』です。

いつも言っていますが、結局『優位性×確率』で勝負するビジネスですから、こういう時は結局のところ、上か下かのどちらの可能性が高いのかを、与えられているその他の情報から分析して、あとは思い切って勝負するしかないんです。

これがトレードです。

まあ、その分析で差が出るみたいなところがありますけどね。

つまり、まずここで思うことは、、、

はい、こうやって上下考えられますので、図中の紫の丸付近は『要注意』ということです。

ここのポイントは、買いを入れてくる人もいれば売りを入れてくる人もいますから、
まあ揉めるわけです。

つまり売り買いの『バトル』が勃発しているイメージです。
だからこんなまさに戦争の最前線に自らの資金をつぎ込んで援軍を出す必要があるのかよーく考えないといけないってことです。

結局『ヘッド&ショルダー』というチャートパターンは、

上図の赤色の売り買いのバトルを『売りが制圧した結果』そのものなのです。
だからチャートパターンは大衆心理で説明ができると言われるのです。

それでは、ここから具体的な戦略を作る作業に入ります。

結局上も下も考えられそうなところでは、その他の条件を加味しないことにはこの形だけでは判断できないので、
『その他の条件がこうだったら、買うor売る』というのをあらかじめ決めておくことが必要です。

戦略①

では、戦略を作っていきます。
まずは『売りバージョン』からです。

例えば図中の最高値のポイントが、『長期足の強いレジスタンスライン』だったとします。
ここがそういうラインであるという条件があるのであれば、図中の青矢印で売りという戦略はアリだと思います。

その場合は損切りを最高値のところに置くことになります。

ここは、短い足では『完全な逆張り』です。
しかし、これがアリだと言えるの理由があります。

その理由は

  1. 強いレジスタンスがあるならそこを重視して売りはアリ
  2. 早く入れるからリスクリワードが良い

という理由です。

逆張りではありますが、それなりにメリットもあり、根拠もあるので、リスクの受け入れができるのであれば、こういうエントリーをスタイルにするのは別にいいと思います。

戦略②

逆に今度は『買いバージョン』です。

先程の売りバージョンとは異なり、上にレジスタンスのラインがない場合であれば、こういうエントリーという話ですよ。

上に特に止めるものがないのに、短い足でこういう形になったのなら、それは下の意識は基本的にないので、上目線ですね、ダウ理論的にも!!

となるどこで買うのかという戦略なのですが、図中の赤丸のポイントが考えられます。

ポイントとしては、高値を切り下げ始めると見せかけ、少し下げたと思いきや、上げ始める瞬間です。
ここを狙うのが私は好きです。

もう一つのやり方としては、最高値を超えるところですね。

ここは、高値が切り下げ始めたポイントで売りを仕掛けている人の損切りが出る場所ですから、それが買える根拠になります。

戦略①の方(長期足のレジスタンスなしの場合)を採用して、高値が切り下げ始めるところで売っている人というのが必ず相場には存在します。

その売りの人々の損切りっては大体その一個上の高値に置いてますから、売りの損切り=買い ということで、買い注文が出ますので、その上げを狙って自分はロングするという戦略です。

これはもろに大衆心理を活用した戦略ですよね。
常に、負け組の損切りがどこにあるのか意識できていない人には、こういう類の手法は絶対に使えないです。

ということで、今回は『ヘッド&ショルダー』が形成されていく過程と、それが失敗していくケースのお話でした。

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