
今回は、いわゆる『トレーダー心理』について追及しまくった書籍のご紹介です。
投資本って、「手法」について書いたものが売れる傾向にあると思うんですが、この本は全くその逆で、トレーダーの心理にのみ書いてあります。
なので、言ってみれば上級者のトレーダーは絶賛し、初心者トレーダーはディスるタイプの書籍です。
だからこそ、勝ち組思考な方にはすごく有意義なと言えますね。
『ゾーン』とは?
『ゾーン』と言うのは、簡単に言えば『ものすごーく集中していて、一切の邪念がない精神状態』そんな感じです。
とんでもない集中で、それだけしか見えない状態でしょうか。
あなたは『ゾーン』を経験したことがありますか?
実は多くの方がこの状態を経験しているはずです。
分かりやすい状況で説明すると、例えばオリンピックの水泳で、選手が『まさに今泳いでいる状態』、これはおそらくゾーンです。
おそらく選手の皆さんは、『泳ぐ』ただそれだけに没頭していて、一切余計なことを考えていないはず。
周りからの声援も全く聞こえていないでしょう。
それぐらい凄まじい集中力ということです。
あなたも何かに没頭している時、おそらくこんな感じはないでしょうか?
野球の清原和博元選手なんかも、バッターボックスではゾーンだったと言われています。
一切お客さんの声が聞こえないとか・・・。
で、話を戻しますと、トレードしている時も『ゾーン』の境地にたどり着け、というのがこの本のコンセプトです。
トレーダーとしての『ゾーン』
いわゆる、『トレーダーの究極状態』というのは何ぞや?という話なのですが、これはこういうことです。
- 相場のことが全て分かり、相場に渦巻く大衆の心理も理解できたときに、
- 人は、トレードのありとあらゆるリスクを真の意味で受け入れ、
- マーケットで得られる、快感、苦痛、欲望、驚き、絶望etcありとあらゆる感情がなくなり、
- ただ淡々と自分自身のトレードスタイルを確立し、
- それに従い、練りに練られたトレードプランを、その通り実践し、
- そして正しく勝ち、時に正しく負ける。
これらについて一切の感情なく淡々とこなす。
とかいう究極状態になります。
はっきりいます、『かなり難しいです』。
僕自身、リスクは受け入れ、最悪○○円負けるという結果で終わることもあると十分理解する。
それでも優位性があり、勝率が高いポイントに絞りに絞ってエントリーしてますが、それでもやはり損切りになると、苛立ちや焦りといった感情は発生します。
昔みたいに、パソコンにマウス投げつけるみたいなことは無くなりましたけど、やっぱり勝ったら嬉しい気持ちが芽生えるし、負けた時は悔しいです。
専業で曲がりなりにもプロとして日々トレードする人間でも、トレーダーとしての『ゾーン』にはまだ到達していないのです。
まだまだ、修行が足らないという事でしょうね。
ただ、この書籍を改めて読み返すと、結局損切り後のメンタルの持ち直し方が、トータルの収益を大きく変化させてしまうことが分かります。
負けている大衆95%のトレーダーが、今どんな気持ちなのかが、よーく、分かるんですよね。
相場で勝てるようになるコツの一つに、『逆に、負けている人間のことを知り、それと逆をやればいい』というのがあります。
その辺りのことについても、『ゾーン』はしっかり書かれていて、さすが名著と呼ばれるだけのこともあるなと思いました。
心理学だけでなく、トレーダーとしての考え方も学べるゾーン
ここまで、『ゾーン』の魅力を少ししか伝えられていませんが、それ以外にも、
- ファンダメンタル、テクニカル分析を超越した、心理分析
- トレードの甘い誘惑
- 損失の考え方、向き合い方
- 優位性と確率論
- 信念と真実の違い
- 一貫性を持ったトレードプラン
これらも濃い内容ですね。
前回紹介した『高勝率トレード学のススメ』と一緒に読むと効果抜群ですね。
この書籍は、『トレーダーの最終形態はここだ!!』という、遠いですが確実に最終目標はここなんだな?そういうことを自身に気づかせてくれる書籍です。
しかも、心理学とか書いてて難そうですけど、内容そのものは理解しやすいです。
それでいて、確信・本質をしっかりついてます!
まだ読んだことがない方は、テクニカル分析の勉強疲れた〜と思った時の『チェイサー』的なバイブルとして読んでみるのもいいのではないかと思います。