今回の動画では、外壁材の一つであるALC(軽量気泡コンクリート)について、その断熱効果や外壁材の選び方について詳しく説明しています。
特に、ALCとサイディングの違いや、外壁材の断熱性能に対する誤解についても言及されています。初心者でも理解できるように、具体的な例や数値を交えながらまとめました。
1. ALCとは?
ALCとは「軽量気泡コンクリート」の略で、外壁材の一種です。
中に空気の気泡が含まれているため、軽くて水に浮くほどの性質を持っています。ALCを使用しているハウスメーカーとして有名なのが「ヘーベルハウス」です。ALCは見た目こそコンクリートに似ていますが、軽くて断熱効果があるとされています。
ALCの特徴として中に空気の気泡が含まれており、そのため軽量で、断熱効果もあると言われています。ALCは軽いので水に浮きます。
断熱材は、空気の層によって熱の伝わりを抑えるため、ALCもその性質を持っているとされています。
2. 外壁材の断熱効果はあまり意味がない
ここで、動画のポイントの一つである「外壁材の断熱効果はほとんど意味がない」という点について詳しく説明します。
外壁材の裏には約2cmの空気層が存在し、この部分には常に外気が流れ込むため、外壁材自体の断熱効果は室内にほとんど影響を与えないのです。
この空気の層は「外壁通気工法」と呼ばれ、2000年以降、義務化されている工法です。
- 外壁通気工法:外壁材の裏側には空気の層があり、ここで外気が流れるため、外壁材の断熱効果は室内にはほとんど影響しません。
- 断熱の役割:断熱はあくまで「断熱材」が担い、外壁材の役割はあくまでも建物の外側を保護する「化粧」のようなものです。
サイディング vs ALC
動画の中では、ALCとサイディングの違いについても触れています。
サイディングは現在多くの住宅で採用されている外壁材で、こちらもALCと同様に断熱効果を大きく期待できるものではありません。
- サイディングの特徴:多くの住宅に使用されており、外壁材として広く普及していますが、断熱効果は外壁材としてはあまり期待できません。
- ALCの特徴:ALCは気泡コンクリートで断熱効果が高いと言われますが、先述の通気工法のため、外壁材の断熱効果はほぼ無意味です。
ALCの直張りと通気工法
ALCの場合、一部の工法では「直張り」で施工されることがあります。
ヘーベルハウスがその代表例です。ALCは通気層を設けずに直接貼り付けることが可能で、この場合、湿気を吸収し、晴れた日に乾燥することで結露の心配が少ないとされています。
- 直張り工法のメリット:
- 防音性:隙間がないため、外からの音を防ぐ性能が高いです。
- 防火性能:酸素の通り道がないため、火災時の防火性能も高いです。
しかし、湿気を吸収する性質上、ALCは冬には冷たく、夏には暑くなるというデメリットもあります。
外壁材と断熱材の断熱性能比較
動画ではALCと断熱材の性能比較を行っています。
ALCの断熱性能は、同じ厚さで比べるとコンクリートよりも10倍優れていますが、実際の住宅で使われる断熱材と比べると、その性能はごくわずかです。
- グラスウールとの比較:
- ALC(37mm):グラスウールの断熱効果に換算すると、わずか8mm分の性能しかありません。
- グラスウール(100mm):ALCでこれと同じ断熱効果を得るためには、500mmのALCが必要です。実際にはそのような厚さのALCを使うことは現実的ではありません。
このように、外壁材に断熱効果を期待するのはあまり現実的ではなく、しっかりとした断熱性能を得るためには、断熱材を使うことが重要です。
断熱性能の例え
動画の中では、ALCやサイディングの断熱効果を「タオル」に例えています。
例えば、ALCは「バスタオル」、サイディングは「ハンドタオル」に例えられ、断熱材は「ダウンジャケット」や「フリース」に例えられます。
- バスタオル(ALC):多少の断熱効果はあるものの、外を歩くには不十分です。
- ダウンジャケット(断熱材):冬に外を歩くには、しっかりとした防寒具(断熱材)が必要で、バスタオル1枚では足りないということを強調しています。
ALCのデメリットと木造住宅
動画の最後では、ALCのデメリットや木造住宅との相性についても触れています。
ALCは吸水性があり、メンテナンスが必要で、特に寒冷地では凍結による問題もあります。また、ALCは鉄骨住宅に向いているとされていますが、木造住宅ではあまりメリットが少ないとのことです。
まとめ
今回の動画では、ALCや外壁材に関する断熱効果の誤解を解き、断熱は外壁材ではなく、断熱材にしっかり依存することの重要性を強調しています。
- 外壁材の断熱効果は、通気工法によってほぼ無意味である。
- ALCは鉄骨住宅に向いているが、木造住宅では相性が悪い。
- 断熱性能を求めるなら、外壁材よりも断熱材を選ぶことが重要。
- グラスウールや他の断熱材をしっかり使用することで、快適な室内環境が保たれる。
断熱効果に関しては、外壁材ではなく、断熱材に注目して家づくりを考えることが重要です。
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