「鉄骨住宅vs木造住宅」というテーマで、両者の違いと誤解されやすいポイントについて詳しく解説した動画をご紹介します。
特に、鉄骨住宅に対する5つの誤解と、鉄骨住宅をお勧めしない3つの理由に焦点を当てています。この記事では、動画内容をわかりやすく初心者向けにまとめ、具体的な例や数字を交えながら解説していきます。
鉄骨住宅に対する5つの誤解
鉄骨住宅は地震に強い
多くの人は「鉄骨住宅は地震に強い」という印象を持っていますが、実際には地震に強いかどうかは構造計算や施工の質次第です。
木造であっても、しっかりとした構造計算と適切な施工がなされていれば、地震に十分耐えられます。
鉄骨住宅でも熊本地震のように繰り返し強い揺れが続くと、倒壊することがあります。大事なのは、構造計算がされているか、耐震等級2以上が取れているかを確認することです。
鉄骨住宅は大空間が取れる
確かに、鉄骨住宅は大空間を作れるというメリットがありますが、それは重量鉄骨住宅の場合に限られます。
大手ハウスメーカーが提供する軽量鉄骨住宅では、木造住宅と同様に柱や壁を入れなければならず、大空間を作ることはできません。つまり、大空間を実現したい場合は重量鉄骨を選ぶ必要があります。
鉄骨住宅は火事に強い
一般的に「鉄骨住宅は火に強い」と考えられがちですが、実際には木造住宅も鉄骨住宅も火事に対して決定的な違いはありません。
木は燃えやすいですが、表面が炭化することで内部に火が通りにくく、一方で鉄は高温になると変形しやすいという弱点があります。
どちらも一長一短であり、火事に強いかどうかは構造材だけで判断できません。
鉄骨住宅は白アリ被害を受けない
鉄骨は確かに白アリ被害を受けにくい素材ですが、鉄骨住宅でも木材は多く使われています。
内装や床材には木材が使用されており、白あり対策が必要です。また、鉄骨住宅では錆の対策も必要となり、メンテナンスの面では木造住宅に劣る部分もあります。
鉄骨住宅は高級だから性能が良い
「鉄骨住宅は木造住宅よりも高級で性能が良い」と考えがちですが、実際には軽量鉄骨住宅と木造住宅の価格差はほとんどない場合が多いです。
重量鉄骨は高価ですが、必ずしも高級品であることが性能の高さに直結するわけではありません。価格が高いからといって断熱性能や耐久性が優れているとは限らない点も重要です。
鉄骨住宅をお勧めしない3つの理由
機密性能が担保できない
鉄骨住宅では機密性能(隙間が少ないこと)が木造住宅に比べて低い傾向があります。
機密性能が低いと、冬は隙間風が入り込み、暖房効率が下がります。
さらに、湿気が壁の中に入り込んで結露が発生し、木材が腐ってしまうリスクも高まります。木造住宅では釘やビスを打ち込むことでしっかりと隙間を埋めることができますが、鉄骨住宅ではそれが難しいため、C値(気密性能の数値)を0.7以下にすることが非常に困難です。
断熱性能が低い
鉄は熱を伝えやすい素材であるため、断熱性能が木材よりも劣ります。
鉄骨住宅では、断熱材で補強することは可能ですが、それでも熱が出入りしやすくなりがちです。断熱性能が低いと、夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。
コスパが悪い
鉄骨住宅は重量鉄骨も軽量鉄骨も、コストパフォーマンスがあまり良くありません。
特に重量鉄骨は大空間を作ることができるメリットがある反面、価格が高くなりがちです。
軽量鉄骨に関しても、大手ハウスメーカーのブランド力により高価格になりやすいものの、特に大きなメリットはありません。木造住宅の方が、機密性能や断熱性能が高く、コストパフォーマンスに優れています。
鉄骨住宅が向いている人
それでも鉄骨住宅が向いている人としては、以下のような場合が考えられます。
- 大空間を必要とする人
重量鉄骨を選べば、大空間を実現できるため、広いリビングや大規模なパーティー用のスペースを求める人には向いています。 - 施工の安定性を重視する人
軽量鉄骨のプレハブ住宅は、工場で生産され現場で組み立てるため、施工が安定しているという利点があります。職人の腕による品質の差が少ないため、施工のばらつきを避けたい人に適しています。
この記事を通じて、鉄骨住宅と木造住宅の違いを理解し、自分に合った住宅を選ぶ際の参考にしてください。
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