住宅展示場での体験をもとに、住宅メーカーの比較と断熱性能について説明した動画をご紹介します。
具体的には、「タマホーム」と「一条工務店」という2つの住宅メーカーを取り上げ、住宅性能や光熱費の差について検討しています。この情報を初心者でも理解しやすい形で紹介し、具体例や数字を交えて解説します。
30年後の光熱費シミュレーション
「一条工務店」は、30年後に「タマホーム」よりも光熱費が安くなるというパンフレットを提供しました。
しかし、これはよくある営業トークで、パンフレットに記載されているシミュレーションをよく確認する必要があります。
【シミュレーションの内容】
一条工務店は「年間22万円光熱費が安くなる」というシミュレーションが示されており、30年で合計660万円の差が生まれるというものです。
これだけ聞くと大きな節約になるように感じますが、住宅価格の差が600万円以上あるため、このシミュレーションが実際にお得かどうかは慎重に判断する必要があります。
3. タイルとサイディングの違い
住宅の外壁材にも注意が必要です。「タイル」と「サイディング」という2つの主要な選択肢がありますが、特に10年ごとのメンテナンス費用に大きな差が出ることがあります。
「一条工務店」は再塗装が必要とされていますが、「タマホーム」では「シーリングレスト」などの高性能サイディングが標準装備されており、長期的なメンテナンス費用が少なくて済みます。
【再塗装のコスト】
住宅のメンテナンスは、10年ごとに数百万円かかることもあるため、最初のコストが少し高くても、長期的にメンテナンス費用を抑えられる家を選ぶことが重要です。
4. 比較対象となる家の基準
パンフレットに記載されているシミュレーションは、「次世代省エネ基準9.2.7」の住宅と比較しています。
しかし、この基準は1999年に制定されたものであり、現在の基準とは異なります。例えば、断熱性能を示す指標として「Q値」と「UA値」が使われますが、現在では「UA値」のみが一般的です。
【断熱性能の比較】
比較されている「次世代省エネ基準9.2.7」の住宅は、UA値が0.87です。
一方で、一条工務店の最新の住宅はUA値が0.25と非常に高い断熱性能を持っており、30年後に光熱費が安くなるという主張はこの性能差によるものです。
5. 冷暖房費の実際
シミュレーションでは、冷暖房費として年間22万円の差が出るとされていますが、実際にはこの数字はかなり現実離れしています。
特に、冷房期間として4月から10月までの長期間、24時間全室を冷房するという条件が設定されています。しかし、多くの家庭では、誰もいない部屋や昼間にエアコンをつけっぱなしにすることはありません。
【エアコンと湿度管理】
さらに、シミュレーションでは「再冷房除湿」という特殊な機能が使われており、湿度を50%に保つことが前提とされています。
これは高級エアコンに搭載されている機能ですが、実際にこの湿度を維持するにはかなりの電力が必要で、通常は利用することは少ないと言えます。
6. 床暖房の現実
冬季のシミュレーションでは「全館床暖房」が使用されていますが、断熱性能が低い住宅でこれを行うのは非現実的です。
床暖房はエネルギー効率が悪く、エアコンと比べて電気代が2倍以上かかることもあります。そのため、快適性を優先して床暖房を選ぶ場合でも、断熱性能が高い家でなければ電気代が高くつくことになります。
7. 結論
この動画では、住宅メーカーの営業トークに惑わされないためのポイントを解説しています。
特に断熱性能や光熱費シミュレーションについては、条件や前提をしっかり確認することが重要です。最終的には、ローコストの「タマホーム」でも十分な断熱性能を持っており、実際にはそこまで大きな光熱費の差は出ないという結論です。
【最適な断熱性能】
一般的な家庭では、断熱性能UA値が0.4~0.5程度あれば、十分に快適な生活が送れるとされています。特に光熱費だけでなく、快適性も考慮して住宅を選ぶことが重要です。
最後に、この動画で紹介された内容は、初心者でも理解しやすいように具体的な数字や実例を交えて説明しました。住宅を購入する際は、営業トークに惑わされず、実際の条件をしっかりと確認することが大切です。
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