家を建てるとき、多くの方が「ハウスメーカー」と「公務店」の違いに迷うのではないでしょうか。
ネット上にはたくさんの情報があふれていますが、それでもどちらが良いのか、はっきりと分からないことも多いですよね。この記事では、動画で紹介された内容を元に、ハウスメーカーと公務店の決定的な違いを、初心者にも分かりやすく解説しています。
ハウスメーカーと公務店の違いとは?
まず、ハウスメーカーと公務店は大きく分けて異なる種類の会社です。それぞれの得意分野やサービス内容も異なるため、自分がどんな家を建てたいのかに応じて選ぶべきです。
動画での解説によると、ハウスメーカーは大きく3つのタイプに分かれます。
1. ブランド系ハウスメーカー
このタイプのハウスメーカーは、大手企業が運営しているもので、知名度が高く、CMなどでもよく見かけます。
代表的なブランド系ハウスメーカーとして、住友林業、ダイワハウス、積水ハウスなどが挙げられます。これらのメーカーは、高品質でステータスのある住宅を提供することが多く、グループ企業によるしっかりとした運営がされています。
2. 建設会社系ハウスメーカー
このタイプは、もともと大手の建設会社や不動産会社が住宅事業を展開しているケースや、住宅建設に特化した会社が全国規模に成長したものです。
建設会社としてのノウハウを生かし、独自の商品やサービスを提供している点が特徴です。価格帯も様々で、高価格帯から低価格帯まで幅広い選択肢があります。
3. フランチャイズ系ハウスメーカー
地元の建設会社が、大手のノウハウやネームバリューを購入し、営業力を強化するタイプです。
いわば「コンビニのフランチャイズ」のように、独自の経営体制を持ちながらも、大手のブランドを活用している形です。これは、地元企業が手軽に名前を借りて事業を拡大するための一つの手段です。
公務店の3つのタイプ
公務店にも3つのタイプがあります。
1. 地元ハウスメーカー
全国規模ではなく、地域に密着した建設会社です。
規模は小さいですが、地元での信頼を重視し、独自の名前で運営されています。たとえば「○○ハウス」や「○○ホーム」などの名前で展開している場合が多いです。
2. 普通の公務店
これは、地元の小さな建設会社や材木屋、大工さんが経営していることが多いです。
住宅の新築だけでなく、リフォームや小さな修繕も手掛けることがあり、地域密着型のサービスが特徴です。10人以下の小さな会社も多く、中には1人で運営している公務店もあります。
3. 中堅ビルダー
このタイプは、地元で幅広い建設事業を手掛ける総合建設業者です。
住宅だけでなく、公共施設やマンション、ビル、工場など、さまざまな建物を施工します。土木工事も行う会社も多いです。
ハウスメーカーと公務店の決定的な違いは施工件数
ハウスメーカーと公務店の最も大きな違いは、年間の施工件数です。
ハウスメーカーは、大手の場合、年間1万棟以上の家を建てます。一方、公務店は、規模が大きくても年間100棟程度、小さな公務店では年間2〜3棟程度の施工です。
この施工件数の差が、営業スタイルや価格にも大きく影響します。
ハウスメーカーのコストパフォーマンス
ハウスメーカーは、大量に家を建てるため、大規模発注やシステム化された工程でコストを抑えることができます。
たとえば、年間1万棟を建てる大手ハウスメーカーが広告費や開発費に100億円をかけたとしても、1棟あたりのコストは100万円程度になります。
一方、公務店では2〜3棟しか建てないため、同じ規模の広告費や開発費をかけた場合、1棟あたりのコストはもっと高くなることが考えられます。
公務店の個性的な家づくり
一方、公務店は個性的な家を求める方に向いています。
造作家具や間接照明、凝った間取りやデザインなど、一般的でない住宅を建てたい場合は、公務店の方が柔軟に対応できます。ただし、施工件数が少ないため、コストパフォーマンスはハウスメーカーに劣ることが多いです。
ハウスメーカーと公務店の選び方
最終的に、どちらを選ぶべきかはあなたの家作りの目標によります。
- コストパフォーマンス重視:ハウスメーカー
- 個性的な家を建てたい:公務店
また、同じ間取りで同等な仕様で見積もりを取ることが大切です。掲げられている坪単価に惑わされず、実際の見積もりを比較することで、正確な判断ができます。
まとめ
ハウスメーカーと公務店の違いは、施工件数や得意とする家のタイプに大きく関係しています。
あなたの理想の家に合わせて、どちらが最適かを選びましょう。
最後に、最も大切なことは社長や支店長の人柄です。最終的な決定権を持つ人がどんな人かを確認し、信頼できる会社を選ぶことが、成功する家作りの秘訣です。
知っておきたい専門用語集
- ハウスメーカー:全国的に展開している住宅建設会社。大手企業が運営しており、大規模な広告展開や商品企画力を持つ。
- 公務店:地域密着型の住宅建設会社。小規模で、個性的な家やリフォームなどに対応しやすい。
- ブランド系ハウスメーカー:大手企業の名前やブランド力を活かした住宅メーカー。知名度が高く、ステータスを重視する住宅を提供する。
- 建設会社系ハウスメーカー:建設会社や不動産会社が展開する住宅部門。住宅建設会社として成長し、全国規模で展開するタイプも含む。
- フランチャイズ系ハウスメーカー:地元の建設会社が大手のノウハウやブランドを利用して営業力を強化するための形態。コンビニのようなフランチャイズ経営。
- 地元ハウスメーカー:全国展開はしていないが、地域で成長した住宅建設会社。地域密着型で独自の名前を持つ。
- 普通の公務店:地域の小規模な建設会社、材木屋、大工などが運営する住宅建設会社。リフォームや修繕にも対応。
- 中堅ビルダー:地元の総合建設業者。住宅だけでなく、公共施設やマンションなど幅広く施工する会社。
- 施工件数:1年間に建てる住宅の数。ハウスメーカーでは数千〜数万棟、公務店では数棟〜数十棟程度。
- 合見積もり:同じ条件のもとで複数の会社から見積もりを取ること。価格比較のために重要。
- 坪単価:1坪(約3.3平方メートル)あたりの建築費用。多くの場合、宣伝のために使われるが、実際の総費用とは異なることが多い。
- 間接経費:広告費、開発費、経営者の人件費など、直接建設に関わらない費用。ハウスメーカーと公務店の比較で話題になることが多い。
- 造作家具:オーダーメイドの家具や建物に合わせた特注の家具。公務店が得意とする分野。
- 間接照明:光源が直接見えないようにする照明手法。雰囲気を重視した家作りに採用されることが多い。
- 規格化:家を建てる際に標準化された商品や工程を用いること。ハウスメーカーはこれによりコスト削減を実現している。
- スケールメリット:大量生産・大量仕入れによるコスト削減効果。ハウスメーカーが得意とする手法。
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