今回の動画では、住宅四天王のエースさんが「断熱等級による高熱費の違い」について詳しく解説しています。
断熱性能を上げることでどのくらい高熱費を削減できるのか、そして窓の種類がどのように影響するのかがテーマです。これから家を建てる人や断熱性能に関心がある方にとって、非常に役立つ内容ですので、初心者でも分かりやすいように具体例や数字を交えて解説します。
断熱等級とは?
まず、断熱等級とは、家の断熱性能を示す指標で、1から7までの等級があります。
数字が大きくなるほど断熱性能が高く、少ないエネルギーで家を快適に保つことができるとされています。例えば、冬の寒さや夏の暑さを効率的に防ぐため、エアコンや暖房の使用量が少なくて済むのです。2025年には断熱等級4が義務化され、2030年には断熱等級5が義務化される予定です。
最近では多くの住宅メーカーが、断熱性能を上げることをアピールしていますが、断熱等級を上げるための初期費用がどれだけ高熱費の節約に繋がるのかが気になる点です。
そこで、今回は窓メーカーYKK APが提供するデータを基に、地域ごとの具体的な数字を見ていきます。
地域ごとの高熱費の違い
YKK APが行ったシミュレーションでは、同じ間取り(約36坪、120平米の家)を日本各地に建てた場合に、高熱費がどのように変わるかを調査しました。
対象地域は札幌、盛岡、長野、新潟、東京、福岡です。このように、日本各地の異なる気候条件に対応したシミュレーションを行うことで、断熱等級による高熱費の違いが分かりやすくなっています。
具体例:東京の場合
まず、東京(地域区分6)の場合、断熱等級4から5に上げると年間の高熱費が約16,000円安くなります。
さらに、断熱等級6に上げると、年間で約23,907円の節約が可能になります。
断熱等級7に上げた場合は、約37,000円の節約が期待できます。長期間にわたって住むことを考えると、例えば10年で32万円、30年で約100万円の差が出てくる計算になります。
寒冷地での高熱費削減
寒冷地の一例として、札幌(地域区分1)では、断熱等級7にすることで年間の高熱費が約27,000円安くなることが分かりました。
これは、寒い地域で断熱性能を上げることが非常に効果的であることを示しています。
盛岡でも同様に、断熱等級を上げることで年間約26,000円の節約が可能です。寒い地域では、暖房の使用量が大きくなるため、断熱性能の高い家が大きな節約に繋がるのです。
窓の種類による影響
断熱性能に加えて、窓の種類も高熱費に大きな影響を与えることが分かりました。YKK APでは、窓の設置場所や方角によって異なる「日射取得型」と「日射遮蔽型」という2種類の窓を使い分けることを推奨しています。
- 日射取得型窓:主に南向きに設置され、冬の低い太陽の光を取り入れることで、室内の温度を上げる効果があります。例えば、ハロゲンヒーター2~3台分の熱を自然光から得ることができます。
- 日射遮蔽型窓:西側など夏の厳しい日差しを遮るために使われます。これにより、エアコンの効率を上げ、室温の上昇を抑えることができます。
この窓の種類をうまく使い分けることで、年間の高熱費をさらに削減できることが分かっています。
例えば、東京では、日射取得型の窓を南側に使い、日射遮蔽型の窓を他の方角に使うことで、年間約5,000円の差が出るという結果が出ています。
長期的なメリット
断熱性能を上げることは、単に高熱費を節約するだけでなく、家の快適性を向上させるというメリットもあります。
例えば、洗面所や廊下の温度差を軽減し、ヒートショックのリスクを減らす効果も期待できます。特に寒冷地では、家全体の温度を一定に保つことが重要で、断熱等級を上げることが健康にも繋がります。
また、断熱性能の高い家に住むことで、長期的に見て資産価値の維持や、省エネルギー化に貢献することもできます。現代では、高齢化が進み、60年以上住む人も増えているため、少しでも高い断熱性能を目指すことが重要です。
ハウスメーカー選びのポイント
動画の後半では、ハウスメーカーごとに断熱等級や窓の仕様が異なるため、どのメーカーを選ぶべきかのポイントが紹介されています。
例えば、断熱等級が標準で高いメーカーもあれば、オプションで断熱性能を上げるメーカーもあります。ここで注意すべき点は、オプションで断熱性能を上げる場合、費用がメーカーによって数十万円から数百万円と大きく異なることです。
家を建てる際には、ハウスメーカーに「標準の断熱等級はどれか?」と「断熱等級を上げるためのオプション費用はいくらか?」を必ず確認し、今回のデータを基にコストと効果を比較して決定することが重要です。
窓と断熱の両立が最適解
最終的に、動画では断熱等級を上げることと窓の種類を適切に使い分けることの両方を行うことが、最も効率的に高熱費を削減する方法であると強調されています。
YKK APのデータによれば、断熱性能を上げるだけでなく、窓の位置や種類にも工夫を凝らすことで、さらなる節約が可能になります。
例えば、南側には大きな窓を設置し、日射取得型窓を使うことで冬の太陽光を最大限に利用し、他の方角には日射遮蔽型窓を使って夏の暑さを防ぐというアプローチが推奨されています。
結論
この動画では、断熱等級と窓の使い方が高熱費に与える影響を具体的に示し、家を建てる際の選択肢を明確にしました。
断熱等級を上げることで年間数万円の高熱費削減が可能であり、さらに窓の種類をうまく使うことで追加の節約が期待できます。家を建てる際には、これらのポイントを考慮し、最適な断熱性能と窓の組み合わせを選ぶことが、快適で省エネルギーな住まい作りの鍵となります。
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