急激な下げが入ったらどうする?

今回は少し難易度の高い解説になります。

初心者の方にとっては多少難しいかも知れませんが、相場の理論を考えていけば理解できるはずですので、何度も読み返しながらついてきてください。

内容は『大衆心理』と『ポジションの解消』。
この2つの概念を理解することで見えてくる値動きがあるのです!

本日ご紹介する『チャートのカタチ』をしっかりと理解して、頭の中で再現できるようになれば、実戦で活用して利益を安定して積み上げることのできる一つの技術になるのは間違いありません。

質問:この後の値動きはどうなるでしょうか?

解説の前に質問になっていしまいますが、下のチャート図が、この後どういう動きをする可能性が高いでしょうか?

上に行くでしょうか?下に行くでしょうか?
もしそうならば、あなたはどんな所でエントリーしますか?

状況としましては、黄緑色のボックスの中でレンジをつくり、そのあとレンジを上に抜け、高値と安値を切り上げながら上昇。

そして、一気に下落していきました。

さて、この後の相場の値動きがイメージできたでしょうか?

上に行くイメージが強いのか、下に行くイメージが強いのか、レンジのイメージが強いのか、その根拠についてもしっかりと入れてください。

単に上に行く気がする・・・だけではダメですからね。

最初にお断りしておきますが、これはあくまでどういう波形に『なる可能性が高いか』というレベルの話です。

「相場に絶対はない」ですし、値動きについてはあらゆる可能性がありますので、今回の解説通りにならない可能性もあります。

しかし、相場は決してランダムな値動きを繰り返しているわけではありません。

大衆心理という人間の心理の集合体がチャートだとすれば、人間の心理に普遍性が保たれている限り、チャートはやはり規則性のある動きをするものです。

ですので、『大衆心理』を考慮した上で、今後の波動のイメージをしてください。

正解

「正解」と言うと、「必ずこうなる」と思われてしまいそうですが、誤解はしないでください。

あくまでも「大衆心理からこうなりやすい」という傾向について解説していますので。

ではお待たせしました、正解はこのようになります。

『なぜ』こういった値動きになりやすいと考えるのでしょうか?

それには明確な理由があります。
『大衆心理』と『ポジションの解消』の2点から考えていきます。

レンジのゾーン

まず、緑色のレンジのゾーンから考えていきましょう。

ここは、「レンジ=売り買いの攻防があった」と言うことを示しています。
その攻防を上に抜けたということは、勝利したのは『買い』と言うことになります。

ここまでは簡単ですね。

上昇トレンドからの急落

そのあと、レンジを上に抜けて、高値安値を切り上げての上昇トレンドの値動きへ。
しかし、一気に急落しました。

こういう形状の場合、何らかの指標や要人発言がきっかけになることが多いです。

しかし、私はファンダメンタルズ派ではなく、価格の値動きを純粋に研究するテクニカル派のトレーダーですので、経済的な要因で片付けるのではなく、このような値動きになる理由を考えます。

まず事実として、どんなファンダメンタルズ的な要因があったとしても、チャートが下落したということは『売り』が起きた、それが全てです。

ではどんな『売り』が起きたと思いますか?

売りと言うのは、以下の2つしかありませんん。

  • 新規でみんなが一斉に売った?
  • 買いポジションを持つトレーダーの決済注文(売り)が多発した?

私の考えは、これは『利益確定の売り』が多発した、です。

理由は簡単。
急落が起きるまでは、価格はしっかりと上昇していたわけです。
つまり、みんな買っていたと考えることができます。

もしあなたが買いポジを持っていたとして、変な大臣の発言がネガティブだったらどうしますか?

「もしかしたら下げるかも?」と考えて、とりあえず一旦利確しませんか?

ですので、ここでは今まで買いをしてきた人たちの利確が多発したと思います。

当然全てが利益確定の売りではありません。
上昇の終盤でロングをした人の損切りもあったでしょうし、指標の結果を受けて売りを入れた人もいるでしょう。

しかし、この中での大多数はそれまで買いを入れていた人たちの利益確定の売りとなります。

急落後の反発


では、買いポジションの解消で下落した価格が、黄緑色のレンジの中に食い込んだ時、市場で何が起きるのか考えましょう。

先程もお話しましたが、この揉み合いの攻防の勝者は『買い』です。
つまり負けた『売り』の中で損切りできていない人は、ずっと含み損を抱えて我慢している状態です。

「下げろー、下げろー」と祈っているのです。

すると、ラッキーなことに急落のおかげで再びレンジの中に戻ってきました。
クソポジが輝き出しました(笑)

この時、もしあなたが売りポジを持っていたならどうしますか?
私なら「我先に」売りポジションの含み損が消えたところで決済します。

つまり、緑色のレンジまで戻ってきたところで、「売りポジションの決済=買い」がここでは逆に多発します。

となると、ここで多くの買い注文が出ますので価格は上昇します。

このような理由から、急落の後、少し上昇する可能性があると推測することが出来るのです。

その後の動きについて

売りポジションの建値決済で一旦上昇した後の値動きはどうなりやすいでしょうか?

おそらくですが、急落を見たトレーダーは『戻り売り』を仕掛けます。

だからまずここで『新規の売り』が少し入り、少し下がります。

少し下げても、やはり黄緑色のボックスの中では、建値決済できなかった負け組の売りポジが少しは残っているので、彼らの建値決済が再び出ます。

すると、また価格は上昇します。

ではそこから上昇すると、どうなるでしょうか?

この時点でダブルボトムになりますので、これ以上戻り売りしようとする人は減ります。

つまり、新規で売りが入りにくいということになります。売りが入らないということは、下げないんです。

下げないならば・・・と、ジリジリと上がり出す。

でもこれで終わりません。

急落の反発後に戻り売りした人はどんな気持ちでしょうか?

自分が売った後にダブルボトムで戻されて上げてきているのです。

そういう人たちは図に引いた青色の点線のラインに損切りを入れていますので、ここをブレイクすると、「売りポジションの決済=買い」が発動しますので、レートはもっと上がることになります。

結果として、チャートは、急落⇒ダブルボトム⇒上昇、となることが多いのです。

相場は常に負け組の心理で動く

相場というのは、常に負け組の心理で動きます。

チャートを見ながら、負け組がどういうところでポジションを取って、どういったところで解消するのかを常に意識して相場と向き合っていきましょう。

きっと視点が変わります。

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