今回は天井圏・底値圏のチャートパターンとして有名なダブルトップや三尊について解説します。
実はこれらもダウ理論で分かりやすく解説できるのです!
ダブルトップ&ダブルボトムについて
ダブルトップやダブルボトムは以下のようなチャートパターンです。
- 底値圏で現れるのが『ダブルボトム』
- 天井圏で現れるのが『ダブルトップ』
いずれにしても、最高値や最安値を2回付けて反転した来たパターンがダブルトップ&ダブルボトムとなります。
これは決して難しくありませんね。
『ダブルボトム』の正体は安値更新失敗
それでは巷で1000円ぐらいで売っている、しょぼい本には書いていない、本質的な理解を深めるための解説をしていきます。
まずは下の図を見てください。
相場の波動はA→B・・・・・→Gと波を描き、最安値でダブルボトムを形成しています。
この流れの中で何が起きたかをダウ理論で考えていきます。
まず、流れとしては
- 高値はB→D→Fと切り下げている
- 安値はA→C→Eと切り下げている
ということですので、紛れもなく『ダウントレンド(下降トレンド)』形成中と言えます。
しかし、高値Fからの下落の波が、直近安値Eを下にブレイクできず、同じ水準安値Eで下落が止まり、安値Gをつけて戻してきてしまいました。
ここから読み取れることは、『ダウントレンドの勢いが弱まってきたな!』ということです。
この時点で、『ダブルボトムだから買い目線』としてしまう人がいますが、それはちょっと危険かな?と個人的には思っています。
なぜならダウ理論では、トレンドは転換の明白なサインが出るまで継続するもので、そのサインとは戻り高値Dが破られるということだったはずです。
つまり、戻り高値Dよりも下の黄色のボックス内はまだ下目線なのです。
ただ、安値更新に失敗したのは客観的に分かる事実ですので、
- ダウ理論ではまだ売りの流れ
- でも安値更新はできなかった
という事実を総合的に考えると、ここは『様子見』かな?というのが個人的な見解です。
玄人的な見解としては、『下目線だけど、上意識』といった感じです。
ダブルボトムは、相場のこういったサインだと覚えておくといいでしょう。
ダブルトップについてはその逆ですので、ぜひ考えてみてください。
『三尊・逆三尊』のチャートパターン
続いて、底値圏・天井圏でよく見られる三尊、逆三尊について解説します。
まずは下のチャートをご覧ください。
左側が三尊(ヘッドアンドショルダー)、右側が逆三尊(リバースヘッドアンドショルダー)です。
ではダブルトップ&ダブルボトム同じように、チャートの流れを追いましょう。
A→B・・・・・→Gと波を描いています。
それぞれの流れを見ると高値はA→C→Eと切り上げ、安値はB→Dと切り上げていますので、ここまでは典型的な『アップトレンド』形成中です。
しかしあるところから、買い勢力の勢いが怪しくなるのが分かるでしょうか?
それは高値Eからの押しが、安値Dまで一気に迫ってきているところです。
ダウ理論では、押し安値Dより上は、上目線固定になります。
ですので、Fまで下げてもまだ買いを狙っていいところなのですが、『すこし押しすぎ』かな?という気持ちになるはずです。
というのも綺麗で勢いのあるアップトレンドであれば、押し安値Dよりも、もっと上で反発して上昇するだろうからです。
感覚的にはなんとかギリギリ押し安値Dに支えられたけど、圧倒的に買いが強かったというわけでは無かったかな・・・。といった感じでしょうか。
しかし、さらに買いが弱かったことが露呈します。
安値Fから上昇していた波は、直近高値Eを越えきれず、高値がE→Gと切り下げてしまいました。
ここら辺で、まだ押し安値Dを割れていなくても、『まだ上目線だけど、下に放たれるかもしれない・・・』という玄人思考をしないとダメです。
要するに、安値Fで何とか踏みとどまった買い勢力が、もう悲鳴を上げている。
強い売りのパワーに押されてしまってきている・・・。
チャートの形から、こういう『大衆心理』が読み取れると、相場に対する理解がかなり高まっていることになります。
『三尊だから売りです』とか言っている人は、表面理解しかできていません。
なぜ三尊になったのか?までを考えて、ようやく理解できることがあるのです。
ダブルボトムのエントリーポイント
これはダブルボトムを利用したエントリーの考え方です。
まず、ダブルボトムのネックラインを上抜けたところで「ん?」とならなくてはいけません。
その後、さらに戻り高値のFを上にぶち抜いてきたところで、ダウ理論的に目線を上に切り替えます。
その後、以前の戻り高値まで戻してきたところでロングするのが基本です。
これは正に鉄板中の鉄板のエントリーです。
三尊のエントリーポイント
次は三尊のエントリーポイントです。
三尊が出来て、ネックライン兼押し安値を下にブレイクした所で目線が下に代わりますよね。
ですが、ここで飛び乗るは少々リスキーです。
なぜなら、押し安値よりも下には沢山の注文が入っており、価格がそこに到達すると、大量の流動性が生まれるため、機関投資家がストップ狩りを狙ってショートを入れた後にロングする可能性もあるからです。
ですので、ブレイクしても目線を下に変えるだけで様子見です。
それからしばらくして、再度押し安値のラインまで戻して、下げてきたところでショートするのが正解です。
こうすることで損切り幅を限りなく小さくしつつ、大きな利益を狙うことができます。
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