本記事ではダウ理論について基本から丁寧に分かりやすく解説します。
ダウ理論って何?と言う方は是非ご覧ください。
ダウ理論とは?
今回は超基本から丁寧に説明していきます。
ダウ理論とはチャールズ・ダウという人によって、19世紀終盤に作られた理論です。
基本的には、「相場のトレンドを把握するための理論」と覚えておいてください。
ダウ理論の基本概念は以下の6つです。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
文章にするととても難しく見えるのではないでしょうか?
しかし、ダウ理論を実践的に使う分には、これら全てが必須と言うわけではありません。
重要なのはトレンドそのものの定義方法と、⑥のトレンド転換の法則です。
とりあえずこの段階では、「ダウ理論はトレンド方向を見つけて、そのトレンドに従えばいい」と思ってください。
ダウ理論の『トレンドの種類』
ダウ理論においてトレンドは『2種類』あります。
しかし、前述したダウ理論の6つの概念では、「②トレンドには3種類ある」と書いてありますが、これはあくまでもトレンドのサイクルの話のこと。
トレンドのサイクルとしては、
- 主要トレンド:1年~数年のサイクル
- 二次トレンド:3週間~3ヶ月のサイクル
- 小トレンド :3週間未満のサイクル
と3つに区分できると言っています。
しかし今回本記事で解説したいのは、上か下かの目線を決めるトレンド方向です。
3種類のトレンドとは別のものだと考えてください。
それでは話を戻します。
相場にはアップトレンドとダウントレンドの2種類があります。
左側が『アップトレンド』、右側が『ダウントレンド』です。
- 『アップトレンド』は、チャートが『高値と安値を切り上げている状態』
- 『ダウントレンド』は、チャートが『高値と安値を切り下げている状態』
まずは、この『トレンドの定義』を頭にしっかり叩きこんでくださいね。
ちなみにダウ理論的には、「トレンドレス=ノートレンド」という概念はありません。
つまり、「アップトレンドかダウントレンド」のどちらかに必ず相場は分類されます。
ダウ理論における『押し安値』と『戻り高値』の定義
さきほど高値と安値の解説はしましたが、高値と安値の中にも、特別な高値と安値があります。
左側のアップトレンドをご覧ください。
安値Bと安値Dがありますが、この2つの安値の意味するところは、かなり意味が違います。
安値Bは直近につけた高値Aを抜く起点となった安値であるのに対し、安値Dは直近の高値Cを目指すも、上抜くことまではできなかった波の起点の安値なのです。
つまり安値Bの方がはるかに、強烈な『買いのパワー』が働いていることが分かります。
言葉の定義としては「直近の高値を抜くことに成功した波の起点となる安値」のことを『押し安値』と呼び、通常の安値とは区別して考えてください。
ここでは、相場の力関係を理解してください。
今回のケースでは、「同じ目立った安値でもBの方が意識されやすと区別な安値」と思ってください。
戻り高値は、今解説したアップトレンドの逆です。
つまり、『直近安値を抜くことに成功した波の起点となる高値』のことです。
- 安値と押し安値
- 高値と戻り高値
この2つを正しく区分することが、ダウ理論ではかなり大切になってきます。
ダウ理論の使い方!目線を固定しよう!
ここからはダウ理論の使い方を解説していきます。
冒頭の話に戻りますが、ダウ理論を使うことのメリットは、『目線が固定され、迷わなくて済む』ということです。
では、その方法についてアップトレンドを例に勉強しましょう。
これはダウ理論を使った相場の見方で、僕自身も基本的にこういう見方をしています。
先程解説した「押し安値」を起点にして、『押し安値よりも上にレートがあるなら、上目線固定』とやります。
下目線の場合はその逆で、『戻り高値よりも下にレートがあるなら下目線固定』となります。
上図の場合であれば、緑のボックスの中は、押し安値より上の価格帯なので、原則買いを仕掛けていくだけです。
ダウ理論『トレンド転換の明白なシグナル』
ダウ理論の定義を、ここで今一度読み返してみましょう。
『トレンドは転換の明白なシグナルが出現するまで継続する』でした。
ではここで言う、『明白なシグナル』について解説していきます。
それでは今回最も重要な部分の解説をしていきます。
ダウ理論で言うところの明白なシグナルというのは要するに、押し安値や戻り高値がブレイクされるかどうかということを言っています。
図では、『ダウントレンド』から『アップトレンド』へと転換していく場面の例を解説しています。戻り高値Aを抜くまでは下目線ということで、水色の枠の中は原則下目線固定で、売りばかりをしていればいいです。
しかし、戻り高値Aを上に抜けてくると、話は文字通り180度変わってきます。
戻り高値というのは、『直近の安値を抜くことに成功した波の起点となる高値』です。
ここは強烈に『売り圧力』がかかるポイントです。
しかしその戻り高値が上に抜かれたとなると、今までの売り圧力の衰えを感じて、そろそろ政権交代かな?という目線になってくるのです。
「売り政権から買い政権へと転換していくだろうな?」そんな予感がするわけです。
ですので、図にブレイク!となっていますが、この辺りから『目線が上』に変わっていないといけません。
そしてそこから下げてますが、この下げから再度上げ始めるならば、押し目買いを狙っていこうと、ビックリマークが書いてある時点で準備してないといけないということです。
ダウ理論を使った手法・エントリーポイント
ここまでは、「トレンド把握としてのダウ理論」を解説してきました。
ここからは、実際のトレードにおいて、どのようにダウ理論を使っていくのか?を解説していきます。
ダウ理論を使った手法や、ダウ理論を使ったエントリーポイントについてです。
ダウ理論を使った手法やエントリーポイントは、基本的には押し目買い・戻り売りです。
- ダウ理論でアップトレンドを認識すれば、押し目買いを仕掛けていく
- ダウ理論でダウントレンドを認識すれば、戻り売りを仕掛けていく
シンプルに手法やエントリーポイントはこれだけ。
この押し目や戻り目を把握するポイントとしては
- フィボナッチリトリースメント
- 移動平均線
などを見ながらエントリーポイントを見極めるイメージです。
それ以外にも、「プライスアクション」を見極めてエントリーポイントを探る手法もあります。
ダウ理論だけで勝てるのか?
FXを勉強する上で、最も重要な理論はおそらくダウ理論です。
こう解説すると、『ダウ理論だけで勝てるのか??』という疑問や期待を持つ方も多いかと思います。
しかしまず結論から言えば、『ダウ理論だけで勝てるとは言えない。』と言った感じでしょうか。
人によっては、“ダウ理論だけで勝てる!!”とおっしゃる方もいらっしゃいます。
その理由としては、FXはトレンドが発生すると、トレンドが継続する傾向にあるからです。トレンドを把握するダウ理論に従い、トレンド方向に仕掛けて行けば優位性は高いのは事実です。
FXの基本はダウ理論に従い、トレンド方向に対して、押し目買い・戻り売りをする。
この点に関しては完全に同意です。
逆張りで底を狙うよりも、流れに逆らわずにトレンドフォローですね。
しかし、相場は複数の要因でチャートを作るので、ダウ理論以外にも分析は必要です。
特に、
- 水平線やトレンドラインなどのライントレード
- 大衆心理を意識したポジション建て
- 複数の時間足を分析するマルチフレーム分析
この3つは意識したほうが圧倒的に有利にトレードが出来るのは言うまでもありません。
ダウ理論はとっても大切ですが、『ダウ理論だけで勝てる!!』と考えずに、もう少し間口を広げて勉強したほうがいいですよ。
ダウ理論とエリオット波動理論
ダウ理論を勉強していると、合わせて出てくる理論があります。
それが『エリオット波動理論』です。
ここではあまり深く言及しませんが、大事なのは両者の“違い”です。
ダウ理論は基本的にトレンド把握のツール、エリオット波動は波動の動きのルールを解説した理論。
こんな感じでザックリと理解で構いません。
ダウ理論はアップトレンドの場合、安値・高値が切り上がり続けるまで、“上昇トレンドが継続する”という理論でしたね。
ダウントレンドはその逆です。
しかしエリオット波動理論は、上昇は第5波で終了するとします。
まあもっと深くやると、この理解では甘いのですが、分かりやすく違いを認識するために、こんな感じでサクサクやっていきますね!
ダウ理論は株式取引にも使えるのか?
ここまでFXの観点でダウ理論を説明してきました。
しかしダウ理論を勉強されている方には、FXではなく株式のトレードをされている方もいます。
そのような方の疑問としては、『ダウ理論って株でも使えるの?』ということがあるのではないでしょうか?
まず結論ですが、“ダウ理論は株でも使える”ということです。
基本的にテクニカル分析というのは、株・先物・FX・仮想通貨など、市場はあんまり関係ないですので。
しかし、ダウ理論に関しては、株式市場よりもFXのほうがよく使われます。
理由は為替のほうが、トレンドが発生しやすいからですかね。
為替のほうが市場参加者が多く、一部の投機筋のポジションに影響されづらいので、テクニカル分析が決まりやすいです。
これはダウ理論に関わらず、その他のテクニカル分析にも言えます。
しかしいずれにせよ、株式市場のトレンド把握として、ダウ理論を使うことに問題はありません。
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